水疱症(すいほうしょう)とは、水疱(水ぶくれ)やびらんを生じる疾患をまとめて称する(ウイルス性・細菌性疾患や熱傷などの物理的刺激による水疱形成を除く)。遺伝子の異常による先天性のものと、自己免疫によるものに大別される。
水ぶくれとは、皮膚疾患などでみられる皮疹の一つ。皮膚が隆起して膜と水様のサラサラした液を蓄えた状態をいう。内容物は血清、フィブリン、細胞成分などであり、水ではない。湿疹(湿疹の3角形)でみられる滲液性丘疹は、丘疹の上に小水疱が出現している状態をいう。
水ぶくれ(水疱[すいほう])には、ウイルス感染によるものと、それ以外があります。
ウイルス以外
日常よく見る虫さされ、火傷(やけど)、靴ずれ、みずむしから、難病に指定されている天疱瘡[てんぽうそう]*まで、多種多様です。一般的にいって、自分で思いあたるような原因もなく水ぶくれができたときは、早めに皮膚科を受診しましょう。
ウイルス感染によるもの
ウイルス感染で起こる病気の代表は、水ぼうそうです。
そのほか、単純疱疹[たんじゆんほうしん]、帯状疱疹[たいじようほうしん]をはじめ、特に子どもの場合は、手のひら、足の裏、口の中に水ぶくれをつくる手足口病[てあしくちびよう]があります。
緊満性水疱
水疱膜が厚くなかなか破れないタイプ。真皮または表皮と真皮の間など比較的深いところに出現する。水疱性類天疱瘡・疱疹状皮膚炎でみられる。
弛緩性水疱
水疱膜は薄くすぐ破れるタイプ。表皮内など浅いところに出現する。尋常性天疱瘡でみられる。
汗疱状水疱
足底や手掌の角層の厚いところにできる。表面が厚い角層で覆われているため破けず、小さい白色の粒のように見える。汗疱状湿疹・白癬でみられる。
治療の基本は、副腎皮質ホルモン(ステロイド)薬による治療です。
ステロイド薬により病勢は抑えられますが、副作用があるため、胃薬や骨がもろくなりにくくするような薬も併せてのんだり、高血圧や糖尿病などにならないように生活の注意も必要です。
ステロイド薬に続いて使われるのは、テトラサイクリンとニコチン酸アミドの併用です。免疫抑制薬が必要になることもあります。